強者の倫理

 批判回避に「弱者である事」を持ち出すな:ekken


 「弱者」であると言う属性を防衛的に使用する事
への非難をしているエントリ。全く同意。だがそこ
にはさらに「別のタイプ」の弱者を付け加えるべき
だろう。それはいまやネット上の論客たちにも割合
よく見られる防衛策である。それは「倫理的に弱者」
という防衛策である。具体的に言えば単に個人的な
価値観だからという事でその価値観そのものを問題
視される事から逃れようとするアレコレたちである。


 それが倫理的に「弱い」というのは、その個人的
倫理観が他者のそれを圧倒して支配する事にならず、
それどころか、相手からの批判に対する返答として
説得的になりうる事もないというところを指示する
事である。それは他に力を及ぼせない倫理観である。
だから「弱い」のである。そして「だから」批判を
受けているのである。その「弱い」倫理に依る者は
他の「より強い」倫理を持つ者から見れば正当化の
出来ない事をしてしまっているという事になるから
である。従って「個人の倫理だから」と言うだけで
批判の回避を目論む事は、単に相手の話を言葉の上
だけで認めたフリをしているだけであり、要するに
話を聞いていないという事である。従って「倫理的
弱者」という言い訳は全然批判回避にならないのだ。


 なお

 
 ekken氏のいうようなタイプの弱者が相手の場合
手加減が出来る方が「より強い」という事になる。
と言うのは弱い者との落差が大きいからこそ加減
しうるし、また加減が要るという事になるからだ。