「他人を負かすってのはそんな難しい事じゃあないんだ!」

「最も難しい事は!いいかい、最も難しい事は「自分を乗り越える事」さ!」
 荒木飛呂彦先生「ジョジョの奇妙な冒険 」40巻より、岸部露伴

 

 批判するのは簡単か?:ekken


 「批判するのは簡単だ」という言い方の次に「褒めるのは難しい」と
続くとしてそれについてうだうだ言っているエントリへのekken氏の対応。
そこで「‘批判’と‘罵倒’や‘中傷’の区別がついていない」といった
示唆がなされているが、そのエントリの趣旨に反してこれは説得的な言い
方ではない。何故なら、一向にこの事を指示する理論上の梃子が示されて
こないからだ。あるのはそういう「体験」を想起して貰う、という空気の
説得力だけである。従って、これはあまり「批判」的じゃあないのである。


 しかし


 途中経過をすっ飛ばして結論だけを乱暴に引っ張り寄せてきていいので
あれば、確かにここで言われている事は、それなりの説得力を持っている。
何故か。この「何故か」を引っ張り出すのが批判である。だから、それを
「つい」忘れてしまっているこのエントリは「批判は簡単じゃあない」と
いう実例になってしまっている。そのつもりは勿論ないのだろうけれども。
そしてこちらからこのエントリにその理由を補うなら、そもそも「批判」
と対置されるものが何か、と考えるだけで十分である。それは元エントリ
では「褒める事」だとされている。褒める事の逆は、ま、けなす事である。


 従って


 「‘批判’と‘罵倒’や‘中傷’の区別がついていない」というekken
氏の発言は、その理由が書かれていないながらも、当のekken氏のところ
では有効だったと言う事になるだろう。しかし、また、今ここで明らかに
した程度の批判について改めて考えてみると、そう難しいとは思われない。