対人的な知恵

現実に起こる事態はイメージへの回収合戦になるのだろう。
それはルールの提示と判断のタイムラグを考えるなら解り
やすい事だ。自分たちの提示したルールが「正しかった」と
いう過去形の言い方をそれが可能にするからだ。

All One Way SYMPATHIES - 売文日誌


 さて。
 まずBait_Assalam氏から返答が来ているので、引用から始めよう。

ところどころにちりばめられたBigBang氏の隠喩のような
ものに気がついて、ああそうだったか、と、思った。

http://d.hatena.ne.jp/Bait_Assalam/20080211

 すでにpsycho78氏からの突っ込みが入っているのも承知しているが
 ここではもう少し細かく見てみる事にしよう。まずこの手法そのものが
 不誠実の産物なのは自明だ。自分自身が何を言おうとしているのかを
 明確に知らせはしないのに言いたい事だけは伝えた事にしようとする
 訳だ。そして明確に知らせないから知らせたかどうかの確認にも隙が
 出てくる。そういう意図ではないとかいった一点張りでなかった事にも
 出来ない事もない。そんな不確定なものは誠実な安定とはほど遠い。


 次にこの手法が意志伝達を一方通行化する事も注目するべきだろう。
 一方はその意志を承知していようと他方はその意志を蹴り飛ばせる。
 蹴り飛ばす事が「出来る」という潜在性は隠された優位性として作用
 する。傍目には解らないが一方から他方には作用する隠秘的な力だ。
 そしてそれが作用し始めると、次を仕込む事も随分容易になるだろう。


 これは意識的なものだろうとそうでなかろうとあまり大差ないものだ。
 何故ならこの話が少なくとも軽いものでないと言う事は誰にも自明で
 あるからだ。そうであればそうしたあやふやさを手法として採用する
 事もそれと知らず使ってしまう事も注意して避けられるべきだからだ。
 誰でも見る事の出来るネットで仕掛けをする薄暗い欲望もそうである。


 さらにそれが相手のコンディションを踏まえているのかも随分問題だ。

それにしても、松永氏の心理的疲労を考えれば、正確な情報を伝えて
安心させておけば、その後の展開は違っていたのではないかと思う。

同上

 Bait_Assalam氏自身このように自分自身に向けては書いている。
 この反省が何故自分自身に限定されてBigBang氏には適用されて
 いないのだろうか。そこに聖化を見てとる事はそう難しい事ではない。
 
 
 そして、ではそうした仕込みを見抜ける者は、果たしてその相手に
 悪意がないと理解したところでどう出来るだろうか。相手を信用する
 事が出来るだろうか。相手に安心する事が出来るだろうか。という
 よりそもそも相手の行動を受容して差し上げる意味があるだろうか。
 悪意がないと言う事はつまりそうした仕込みを自覚出来ていないと
 言う事になるが、それは自律からは余りにも遠い癖に他を操作して
 行こうとしている訳だ。そこへの理解が誰かを楽にするのだろうか。

オ・レ・の・ア・タ・マだ─────────────── ッ!

『マルコヴィッチの穴』より、マルコヴィッチ