Masquerade:MasCORRIDA

「冷酷な夫人は勝負に点数制も時間制限も認めようとしないもんだから
 自然 戦いはハードになる・・・どっちが勝者でどっちが敗者だか
 わからねえくらい互いに消耗しちまうんだ選手は・・・大体ザザの街
 全体が夫人という神に魅入られているようなもんさ・・・フフ・・・あの
 住人達にしたって夫人が仮面をしてるって理由だけでああやって
 つけたくもない仮面をつけさせられてる・・・この武闘会を皮肉った
 言葉にこんなのがある・・・右は弱き敗者・・・左は強き敗者・・・そう
 ・・・勝者はただ夫人のみ!!」

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 さて。
 問題はさらに迂路を経る事になるがこの迂路はまた不可欠なものになるだろう。

再利用する必要がない言説には、アカウントは必ずしも必要
ないのだ。言い捨て御免で済む場合、名前は無用の長物なのだ。

404 Blog Not Found:匿名に関してそろそろまた一言言っとくか

 ここで考えなければならないのはどういったケースが言い捨て御免で済むのか
 と言う事である。そうでない場合は名義が必要となる、という理屈になるからだ。
 だがここで小飼氏の論理は歪む。何故ならこの次にはアカウンタビリティゼロ
 という事を口実にしてダメージを幻だと宣告し始めるからだ。まずは引用しよう。

匿名さんたちの「言葉の暴力」をスルーするには、このことに気がつき
さえすればいい。これがゼロでないと思い込むから、幻痛が生じるのだ。

同上

 つまりここで無限ループが作られている。匿名発言はスルーすべきだといって
 いる一方で、そのようにスルーされうるような発言なら匿名でいいとも言うのだ。
 アカウンタビリティゼロならダメージは幻だといい、ダメージがないなら匿名でも
 構わないとする。こんな無限ループにかかれば何でも免罪されてしまうだろう。
 実際には、個々の匿名発言に際して「それが匿名でも構わないのかどうか」の
 考慮が必要となるはずだ。さもなくば「言い捨てで済む場合」など見つかるまい。

 
 さらに言えば、アカウンタビリティゼロだとかいわれる状態ならダメージは幻だと
 する理屈も妙である。中傷をする側がその責を自分に問われたくないというのは
 単に勝手な理屈である。そしてその場合も実際にトレースが行われるか否かが
 問題にされていない。これでは匿名でどこかの家に剃刀を投函する例とどう違う
 だろうか。そしてそんな場合にそんな事の不快さを幻だと何故言えるのだろうか。
 もっと言うとその不快さをどこまで幻と見做すべきなのか小飼氏は書いていない。
 窓ガラスを割られるとどうだろうか。家族の写真をバラバラ死体に模した場合は
 どうか。そのように態様が悪辣なら場合が違うと言うのなら、当然匿名の発言も
 そのようにならなければ辻褄が合わない。だが論理の歪みはここからさらに進む。
 
 

アカウンタブルでないバリューはどこに行くかというと、人ではなく場に蓄積される。

同上

 ここでこの発言は一方的にしか展開されていない。だが公平に見る限りここから
 さらに次の事を述べなければならないだろう。それは無責任な匿名発言も蓄積し
 それが場を維持するコストに変わる事もありうると言う事だ。匿名でも発言出来る
 ようにわざわざ仕組みを造っている側は個々の匿名発言について請け負うべきだ。
 そしてそのような匿名の場に参加する側はその場を維持するためのコストを負担
 すべきだ。少なくともその「場」との付き合いならば持続的なものになるのだろう?


 そしてその匿名での発言ならアカウンタビリティゼロと呼ばれるとしても、それは
 逆に言えばそうなる直前ならまだアカウンタビリティがあると言う事で、つまりは
 匿名に「なろうとする」事の責任は、やはりそいつに求められなければならない。
 つまり順序としては責任を肩代わりさせる事についての支払いが先行している。
 だからそれをまず支払なければむしろ滞納である。結局のところ匿名での発言も
 その効果が場に蓄積してゆくのなら単にその責任を場に肩代わりさせているだけ
 である。そしてその肩代わりを願い出たのは一体どこの誰だというべきだろうか。
 

 従って、少なくとも匿名の場を維持するために誹謗中傷を非難するくらいはコスト
 としても安いもんではないだろうか。まあいずれにしろこの話は本題の枕である。
 
 
 といっても
 本題は短い。言論が持続不能に陥っている例がこの話の先にあるというだけだ。