Brahman:BluffMAN


 さて。
 ここで問題を予示してから五日が過ぎようとしている。そろそろいい頃合だろう。
 結局のところこの事に絡んで自身の責任を明示的に明らかにした人は皆無だ。
 勿論この「明示的に」「明らかにする」と言う重ね言葉にはいささか含みがある
 が、まあこちらから敢えて明示的に仕立て直す要もなさそうな程度の事である。
 と言う訳で問題はここで何も表明しない事が何を意味するのかと言う事になる。

 
 そしてこの今の状況を正確に記述すると「ネットですでに継続的に活動してきた
 名義が実際には一個人を指示するのではないとされているにも関わらず、その
 内部構成についての情報が全く伏せられている」というあたりだと言えるだろう。
 無論これは別に実名開示を求めているものではない。そこは釘を刺しておこう。

Hyde


 ではそのユニットなるものが何故問題なのか。実際のところユニットである事
 そのものは問題じゃあない。問題はその内部構成が隠されていると言う事だ。
 簡単に言うと騙し討ちが非常にしやすいのだ。つまり責任についての問題だ。
 

 まず普通に考え付く事としては個々の構成員がそれぞれ別個にブログなどで
 発言する事がある。この場合、そのユニットとかやらの内部構成を知らない側、
 つまり端的にそいつら以外にとってそいつらの内部構成は密約と同義である。
 無論実際のところそんな個々の構成員のブログがあるのかどうかも知らない
 が、それは当たり前の事だし、むしろ通常のプライバシーの考え方からすれば
 知ってなくて当然だし知っているべきでもない訳だ。だから、そういった個別の
 ブログであるとか活動があるのならそれはそういう事をしている側が自分から
 明らかにしなければならないだろう。さもなくば、いずれにしても他人に不正を
 強いる事になるからだ。不正を受忍するか、あるいは不正を承知で内部を暴き
 手を汚すのかどっちかだ。ここで不正を回避する方法は、そういった隠秘的な
 ユニットとかやらの側に独占されている。責任もそこ以外にありえないだろう。

Hides


 次に考えられる事としては不特定性の問題がある。要するにそいつを説得する
 際にそいつの考え方などを計算に入れるというごく普通のやり方が有効じゃあ
 なくなるって事だ。何故そうなるかと言うとその同じ名義を使う連中がどんだけ
 いるのかさえ解らないからだ。つまり説得のハードルがこっそり高められている
 訳である。特定の誰かを説得するのならそこまでにはならない。仮にそいつが
 匿名を使っていようと、一人の人間が醸し出す煩悶や曖昧な情感がある程度
 説得へのハードルを引き下げるからだ。そいつがそいつであると言う特定性が
 あればそうなる。だがその一つの名義を見知らぬ奴らが入れ替わり立ち代わり
 使っている場合はそうじゃあない。説得されかかった奴がいてもすぐに次の奴と
 代わってしまえば説得なんて出来やしない。殊にその交代を知りもしない間は。
 

 この方法は通常のネットでの意思疎通に見られている信頼を逆手に取っている。
 ありていに言えば騙し討ちであり、もっと言うならその信頼への重大な裏切りだ。
 普通の意思疎通でこんな方法を想定する奴はいないだろうしそれを想定すべき
 だなんてとてもじゃあないが言えないだろう。仮に想定したってそれを確認しうる
 正当な方法もまずないのだから。つまり、こんな方法は予め排除すべきものだ。
 殊にそれが曲がりなりにも「公」なるものに関する限りは。こんなトリックを使って
 意思疎通を操作しようとする連中の責任感など全く知れているというべきものだ。
 この方法は無限の難癖を可能とする。それに気づいてないなら無邪気に過ぎる
 だろうし、解ってたなら当然論外だ。いずれにせよ現状そこへの説明は皆無だ。

HYDRA

 
 さて。
 さしあたり懸念される事としてはもう一つの可能性がある。それは当のユニット
 とかやらが十分に組織化されているのかどうかだ。もしそれが十分じゃあない
 場合は一方的な約束破棄を常態としかねない。ある構成員がした約束は他の
 構成員も当然守らなければならないが、そもそも組織として十分に確立されて
 いないところなら「他人」のした約束なんて知らないって事からありうるのである。
 無論ここでその「他人」と言うのは外からは解らない身勝手な理屈だ。それは
 一つの同じ名義を使っておきながらその名義に付随する責任を放棄する事だ。
 だがそこに予防線が引かれているのかどうかも外からはちっとも解りはしない。


 だからここでそのユニットとかやらの代表や内部組織の構成が明らかにされる
 必要がある。さもなくば、応答可能性や応答能力が通常の自然人と比べると
 著しく貧弱だと見做されても仕方がないだろう。そんな仕込みをやった結果だ。
 勿論、そこに何の組織もないならそんな体たらくで「公」を標榜する議論に介入
 すべきじゃあないのだが、まあ後の祭りだ。いずれにせよその内部構成を自ら
 明らかに出来ないなら、そんな薄ら暗いところにつきあって差し上げる要はない。
 勿論そこに十分な組織があるのならその目的と代表者くらい明らかにすべきだ。
 

Hydra−HEADED


 さて。
 問題はこうして多岐に渡る。ここでも色々書いたが、とても全てを網羅したとは
 思っていないし、それぞれ問題を当てはめて考えるべき個々の具体例を挙げる
 事もこの際一苦労である。だがそうやって「ここでは割愛する」式に棚上げした
 挙句忘却するのも当のユニットとかやらの常態なのだから、少しだけ例を示そう。
 まず端的にこの台詞は爆笑ものの茶番に姿を変えるだろう。名義とその責任が
 身体を含む存在と一対一で対応してもいないのにそこで何が賭けられうるのか。
 組織がヤバイというのもその組織がある事すら知らない外に言える事ではない。
 次にこの台詞は自分の意志よりも当のユニットとかやらの内部論理を優先して
 いる実例だが、あいにくこの台詞もいささか意味を変えうるものと見られるだろう。
 何故ならその対象に意志を示す事さえわざわざ避けている理由が不明だからだ。
 勿論これは単なる勘繰りで的外れな疑いって事もありうるが、確証は全然ないし
 少なくともこの勘繰りを予防しうるように予示エントリもこちらは挙げたのだから
 文句があるとしても、こんなトリックを仕込んだ方にこそ言って欲しいものである。


 さて。
 最後に言っておくとこのトリックが実際にはなかった場合については考慮するに
 値しない。おおもとの発言が嘘だと敢えて仮定して差し上げる要などないからだ。


◆ほぼ同時刻追記
 なんかエントリがダブった(が編集画面ではダブってない)ので色々いじった。
◆26日深夜追記
 なんかトラックバックが反映されてなかったようなので双方に改めて送信した。