BigBangATTACK!

「喰らえ!こいつが超ベジータのビッグバン・アタックだ!」

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鳥山 明
集英社
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 さて。
 BigBang氏のところで松永氏とのやりとりがなされているが、まず注目すべきなのは
 そのエントリのタイトルである「手段の合法性が目的を正当化することはない」だ。
 何故ならすでに誤りが露呈されているからだ。それは松永氏のコメントを見れば解る。

ここから以降は仮定の話になるけれども、要求の内容が何であれ、それが正統な
言論手法の範囲内で行なわれるのであれば、革マル中核派でも行なって
かまわないと思います。むしろ、暴力ではなく言論で主張を行なうべきなのです。

2007-02-11

 この同じ文章を引用しながら、BigBang氏は「手段の合法性」について言及している。
 だが改めて言うほどの事もないが、「正統性」と「合法性」は全く別のものでしかない。
 つまりここでBigBang氏はすりかえか誤読をしている。それも随分失礼な文脈で、だ。
 何故それが失礼かというと手法の正統性は概ね正当性と安全性を備えているだろう
 という期待が常識的にはなされうるのに、それを合法性にすりかえた場合にはそんな
 期待が消し飛ぶからだ。意図はともかく、ここで矮小化が行われてしまっているのだ。


 そして
 この矮小化がBigBang氏の反論の梃子となっているのはまず自明の事になるだろう。
 何故なら「正統な言論手法の範囲内」であればまず「公共の福祉」には反していない
 だろうからだ。というより「正統な言論手法の範囲内」なのに公共の福祉に反している
 場合なんてまずそうはないだろうし、そこでなお「正統な言論手法の穴」を問題にする
 という場合も当然冒頭にあげた矮小化なんて事態から真っ先に批判すべきであろう。

 
 また
 松永氏のあげるナチスの例がこの「正統な言論手法の穴」に関するのは見やすい
 話だと思える。つまりこれは「正統性」が単純に安全に結びつく訳じゃあない事も当然
 知っているという自戒の表明だろうから「本論に関係ない」なんて発言は無茶だろう。


 さらに言って

こうした私のオウム関連の記事の全てが、何も松永さんのみに向けて
書かれているわけではないということだ。この問題は、私からあるいは
私たちから松永さんの方向に向かってのみ存在しているのではない。

眼差しの先 - AnotherB

 このデリカシーのなさと自分の発言に対する甘さは非常に受け容れ難く常識外れだと
 しか思えないものだ。相手の心理上の痛点をそれと知りながらそれに関し連想させる
 事に何も注意しないなら、僕はそれを「正当な言論手法の範囲内」だと認められない。
 何故ならそれは相手の想像力を嫌がらせに使用しかねない事だし、つまり言論内容
 ではなくて手法上のトリックによって相手を従わせようとする下劣さになるからである。
 

 なお

事前に情報があれば、およそあらゆる人たちは、関わりを避けるだろう。
そんなリスクをとる人はいない。理由は簡単で、リスクばかり膨大に
大きく(「馬鹿な」世間であっても世間は世間である)得られるものは
ないからである。政治的自由以前の問題である。誰も出家中の信者が、
組織の意を受けて動いていないという「証明」はできない。面倒な証明
をするなら、関わりを避けたほうが無難であり、対抗陣営がそうした
人物と関わっていたら、理解するよりも攻撃したほうが容易である。

信者の政治行動 - AnotherB

 ここで表明されているのは要するに懇談会に「参加すべきではない理由」ではなく
 「参加して欲しくなかった理由」でしかない。公にとってはその程度の私人のリスク
 など問題にはならないだろう。何故なら危険性が顕在しているかどうかの証明なり
 検証なら脱会の証明などより遥かに簡単だし、する気さえあれば可能だったからだ。


◆関連エントリ(↓)

 オウムの事件は無差別テロを実行したにも関わらず、末端にまでその意志が共有

されていた訳ではない事こそややこしくなるところだからである。つまり、ごく単純に

何も知らなかっただけの者もテロに関わってしまっていた事もまたありうるからである。

参加型テロリズム - 売文日誌


◇参照エントリ(↓)

滝本弁護士は、現役信者、脱会者そして実行犯と、多くのオウム信者と面会をして
おり、実行犯を含めた彼らのことを「みんないい人」と言います。そのいい人達が
日本中を震撼させる事件を起こしたところにオウムの恐さがあると。「悪意の殺人は
限度があるけど、善意の殺人は限度がない。そこが一番の恐い本質ですね。」

滝本弁護士へインタビュー: Grip Blog <Archives>